4歳児(すみれ組)
〈4歳児〉すくわくプログラム報告書 7月
<活動名> 水ってどんな音?~水の動きから音を見つけよう~
<テーマの設定理由>
これまでの音に関する活動では自分の体や身近な素材から音を見つける経験を通して、子どもたちは「音には大きさや響きの違いがあること」「音は出し方によって変化すること」に気付き、音への興味を深めてきた。
その中で日常生活の中で身近に触れている「水」に目を向けると、「水を叩いたらどんな音がするのかな」「流すと音が変わるのかな」と、水の動きと音の関係に興味をもつ姿が見られた。
そこで今回は水に触れながら叩く・すくう・流す・落とすなど様々な方法を試し、水の動きや量、道具の違いによって音が変化することを感じる活動を計画した。
実際に水の音を聞き比べたり、感じたことを言葉や表現活動につなげたりする経験を通して、身近な自然現象への興味や探究する楽しさを味わうことを目的として本活動を実施した。
活動内容(30分程度/4回/少人数4~5人)
・「水ってどんな音がするのかな?」という問いかけ
・手で水に触れ、叩く・すくう・かき混ぜるなど音を試す
・ペットボトル、コップ、おたまなど様々な道具を使って音を比べる
・水の量や高さ、道具の使い方を変えて試す
・聞こえた音を言葉で表現する
・友達の発見を聞き合い共有する
・水の音からイメージしたことを絵の具で表現する
・活動の振り返り
【環境】
子どもたちが水の音に集中して耳を傾けられるよう、十分に活動できるスペースを確保し、水に触れながら自由に試すことができる環境を整えた。
また、水の動きや音の違いに気付きやすいよう、様々な道具を準備し、子ども自身が「どれを使ってみようかな」と選択しながら活動できるようにした。
【人的環境】
保育者は子どもの発見をすぐに答えとして伝えるのではなく、「どうしてそんな音になったのかな」「水の量を変えたらどうなるかな」など、考えを広げる問い掛けを意識した。
また、一人ひとりの感じ方や表現を大切に受け止め、「どんな音に聞こえたのか」を言葉にすることで友達同士の気付きが共有されるよう援助した。
【物的環境】
・水
・たらい
・ペットボトル
・コップ
・カップ
・おたま
・タオル
・筆
・バケツ
・パレット
・絵の具
・模造紙
・画用紙
・活動記録用端末
【活動環境】
子どもたちが自由に水に触れ、試行錯誤しながら音の違いを発見できるように環境を構成した。
また、友達の音を聞いたり、自分の発見を伝えたりする時間を大切にすることで、一人の気付きが周囲の新たな探究へつながるようにした。
◆ 水に触れて音を探してみよう
活動の導入で「水ってどんな音がするのかな?」と問い掛けると、子どもたちは興味をもち、すぐに水へ触れ始めた。
手で水を叩いたり、すくったり、かき混ぜたり、水面を指ではじいたりしながら、「バシャバシャって聞こえる」「小さい音がする」「強くすると大きい音になる」と、自分が感じた音を言葉にする姿が見られた。
▶ 子どもの気づき
水の動かし方によって音の大きさや響きが変化することに気付き始めている。
▶ 保育者の関わり
子どもの発見を受け止めながら、「どうしたら違う音になるかな」と問い掛け、様々な方法を試すきっかけをつくった。
◆ 道具によって変わる水の音を楽しむ姿
ペットボトルやコップ、おたまなどの道具を用意すると、「これはどんな音がするかな」と期待をもちながら試す姿が見られた。
ペットボトルを水の中に沈めて空気が抜ける「コポコポ」という音や、高い位置から水を流した時の「ドボドボ」という音など、道具や使い方による違いを楽しんでいた。
また、「同じペットボトルでも音が違うね」と気付き、水の量や流す高さを変えながら繰り返し試す姿も見られた。
▶ 子どもの気づき
水の量や高さ、道具の使い方によって音が変化することを体験的に理解している。
▶ 保育者の関わり
「どこを変えたら音が変わったのかな」と問い掛け、子ども自身が変化の理由を考えられるよう援助した。
◆ 友達と発見を共有しながら広がる探究
活動中には、「先生、聞いて!」「こっちの方が面白い音がするよ」「やってみたい」と、自分の発見を友達や保育者へ伝える姿が多く見られた。
友達が見つけた音を真似したり、さらに違う方法を考えて試したりする中で、一人の発見が周囲の子どもたちの新たな気付きへと広がっていった。
「雨みたい」「滝みたいな音がする」など、水の音からイメージを膨らませる姿もあり、感じたことを共有する楽しさにつながった。
▶ 子どもの気づき
友達の感じ方を聞くことで、同じ音でも様々な捉え方があることに気付いている。
▶ 保育者の関わり
子ども同士のやり取りを大切にし、それぞれの発見や表現を認め合える時間を保障した。
◆ 水の音を表現してみよう
水の音を聞いた後には、感じた音やイメージを絵の具で表現する活動を行った。
「雨の音だから青にした」「大きな音だからいっぱい描いた」「ぽたぽたの音だから小さく描いた」など、聞こえた音を自分なりに捉え、色や筆の動きで表そうとする姿が見られた。
完成した作品について、「これは大雨の音」「優しい水の音」など、友達や保育者へ説明する姿もあり、表現する楽しさを味わうことができた。
▶ 子どもの気づき
音からイメージしたことを、色や形など様々な方法で表現できることを楽しんでいる。
▶ 保育者の関わり
「どんな形に見える?」「その音は元気な音?優しい音?」など、子どもの想像を広げる言葉掛けを行った。
今回のすくわく活動では子どもたちが身近な存在である「水」に目を向け、音を聞く・試す・考える・表現するという一連の経験を楽しむことができた。
活動の中では手で水に触れるところから始まり、道具を使った音探しへと発展していった。「大きな音になった」「優しくすると静かな音になる」「同じペットボトルでも音が違う」など、水の動かし方や条件によって音が変化することに気付き、自分なりに確かめようとする姿が多く見られた。
また、友達の発見を聞いて「やってみたい」と興味を広げたり、自分の気付きを伝えたりする姿も多く、一人の発見が集団の学びへとつながっていった。友達と音を共有することで、音の感じ方には様々な表現があることにも気付くことができた。
さらに、水の音を絵の具で表現する活動では聞こえた音を色や形に置き換え、自分なりのイメージを表す楽しさを味わうことができた。音を聞く経験が表現活動へつながり、五感を使った学びの広がりを感じることができた。
保育者が答えを示すのではなく、子どもの「なぜだろう」「やってみたい」という気持ちを大切にし、問い掛けや共感を通して探究を支えたことが主体的な活動につながったと考えられる。
今後も身近な自然や素材との関わりの中で子どもたちが自ら気付き、試し、考える経験を大切にしながら、豊かな感性や探究心を育む活動を継続していきたい。
